離婚

離婚にあたっては、単なる婚姻関係の解消に止まらず、慰謝料、財産分与、年金分割、親権、養育費、面会交流等、多岐にわたる問題が生じ、その全てを当事者間の協議で解決することは、必ずしも容易ではありません。

弁護士が代理人となれば、法的に有効な主張を的確に行うことにより、交渉や調停を有利かつ円滑に進めることができるだけでなく、相手方及びその代理人と交渉する精神的負担、時間及び労力が大幅に軽減されます。

加えて、早い段階から弁護士が関与していれば、調停や訴訟を見据え、的確に証拠を保全しておくことができます。

手続の流れ

まずは①協議離婚を目指しますが、協議が成立しない場合には、家庭裁判所に②調停を申し立て、それでも決着しなければ、③裁判(訴訟)へと手続が進みます。

①協議離婚

まずは夫婦間で(代理人間で)離婚について協議し、合意が成立すれば、合意書を締結します。
合意書を公正証書の形にしておけば、相手方が養育費や財産分与の支払を怠った場合でも、改めて訴訟を提起することなく、すみやかに強制執行を行うことができます。

②調停離婚

当事者間で協議しても合意が成立しない場合は、家庭裁判所に調停の申立てを行い、調停委員を交えて協議します。離婚成立にはあくまで双方の合意が必要となりますが、第三者である調停委員が間に入ることにより、合意が形成されやすくなる可能性があります。

③裁判離婚

②調停離婚が不成立(不調)となった場合、家庭裁判所に離婚訴訟を提起します。相手方が離婚を拒絶している場合や、離婚自体には争いがなくとも、財産分与、親権、養育費等の点で合意できない場合には、裁判所が法律に基づいて判断し、判決により最終的な解決が図られます。

離婚に伴う諸問題への対応

慰謝料

慰謝料の額について合意が成立しない場合、訴訟により金額が判断されることになりますが、訴訟では、不貞行為やDVの証拠をできる限り多く提出する必要があります。

別居後は、かかる証拠を収集することは困難になりますが、早い段階からご相談いただければ、不貞行為やDVを立証するに足る十分な証拠があるか、他に有利な証拠を確保できないかを、あらかじめ検討しておくことができます。

婚姻費用・養育費

一般に、婚姻費用は、相手方に請求した時から発生する(過去に遡って請求することはできない)とされているため、別居後すみやかに相手方に請求し、かつ請求した証拠を残しておく必要があります。
婚姻費用・養育費の額は、夫婦(両親)の収入の多寡に応じ、裁判所が公表している算定表を基準として算定されるのが通例ですが、算定表はあくまで標準的なケースを念頭に置いた基準に過ぎません。
学費の高額な私立の教育機関に通わせている場合や、養育費を請求する側の住宅ローンを他方が負担している場合等、一定のケースでは、個別の事情に応じた調整を求めることができます。

財産分与

財産分与を請求するには、まずは相手方名義の財産を特定する必要がありますが、夫婦間とはいえ、必ずしも、相手方名義の財産の詳細を把握しているわけではありません。
財産隠しが疑われる場合には、弁護士照会(弁護士会を通じて金融機関等の照会先に対して行う調査方法)を活用する等して調査することができます。

親権

親権を獲得するためには、過去に子どもと過ごす時間をできる限り確保してきたこと、子どもに対して愛情をもって接してきたこと、監護養育の実績があること、今後の養育環境が整っていること等の事情が重要となります。

家庭裁判所(調査官)に対し、これらの事情を分かりやすく伝えられるようサポートします。

面会交流

不貞行為に及んだ不誠実な配偶者に子どもを会わせたくないなどと、面会交流を拒絶されるケースでは、すみやかに調停を申し立て、第三者である調停委員の助力を得ながら粘り強く説得し、早期の面会交流の実現に尽力します。